【ラオス】村での不発弾回避教育実施
【2024年8月 活動レポート/ラオス】
テラ・ルネッサンスは、プロジェクトの対象地域であるラオス、シエンクアン県ペック郡とパーサイ郡で不発弾の危険性を啓発する、不発弾回避教育を実施しています。ペック郡12村、パーサイ郡10村において、3歳から7歳までの幼い子どもたちとその家族を対象としています。
II.回避教育の手順
1.回避教育トレーナーは、対象となる各村で回避教育を行う前に、不発弾に対する子どもたちの理解度を評価します(プレテスト)。
2.回避教育を実施するにあたり、まずは参加者への挨拶、不発弾回避の歌の後、様々なアクティビティー(ポスター、紙芝居、パズルなど)を通じて子どもたちに、不発弾やそのリスクについて関心を持ってもらいます。
3.回避教育の内容としては、
・5枚のポスターを用いて
①不発弾がどこから来たかを理解できるように、その歴史を説明します。
②爆弾の種類:各種の爆弾の形状、外観、色、サイズを区別できるようにします。
③爆発物の影響:爆発事故が発生した場合は、負傷する、障害者となる、死に至る、可能性があることを説明します。
④事故を起こさないための予防法や注意点:穴掘りや火起こしなどの日常生活における実践方法などについて紹介します。
⑤爆発物を発見した場合の対処方法:子どもたちは先生や親に伝える。大人はホットラインに通報する等について紹介します。
・紙芝居:3名の子どもが不発弾を発見したときの対処法を学ぶ内容で、先生に報告して事故に遭わないというHappy Storyと、少年2名が爆発で怪我をするというSad Storyがあります。
・ジグソーパズル:子どもたちが爆弾のパズルを組み立てて、出来上がったら、トレーナーが爆弾の種類、名称について答えさせます。
・シールを使ったアクティビティ:爆弾と果物などのシールを、緑(安全)のエリア、赤(危険)に分けて貼らせます。
【子どもたちだけでなく、保護者も一緒に学ぶ】
4.最後にトレーナーと子どもたちが別の不発弾の歌を歌うとともに、参加した子どもたちがその日に学んだことの振り返ることができるようにします。
【不発弾についての質問に答える子どもたち】
III.活動の実績
シエンクワン省パーサイ地区の対象村の受益者の数:2024年8月5日から2024年8月26日までに回避教育を完了した村は10か村で、活動に参加した子どもは320人で、うち女児が164人、大人(保護者など)は285名で、女性が175名でした。
ラオスに残る不発弾は、8,000万発とも言われ、すべてを撤去するには膨大な時間(1,000年以上と言われています)と労力、予算がかかります。ですから、事故に遭わないための回避教育をこれからも継続して実施しなければなりません。
【子どもたちは良く理解し、質問に正しく答える】
そのために、是非テラ・ルネッサンスへのご支援をお願いいたします。
記事執筆/
海外事業部
飯村 浩