【ウガンダ】直接支援対象者のみにとどまらない、地域の自立に向けて
【2024年9月 活動レポート/ウガンダ】
先月に引き続き、ウガンダ北東部カラモジャ地域における灌漑農業を通した自立支援プロジェクトについてお伝えします。(前回レポート:自立への前進、地域への波及 )
今回のレポートでは、年度の序盤に作付けをした穀物 (トウモロコシ)の収穫、さらにプロジェクトが支援対象者の暮らす村へと波及していく様子についてお伝えします。
・穀物(トウモロコシ)の収穫と収穫後研修
【写真1 トウモロコシの収穫】
雨季の始まり (4月ごろ) に植えたトウモロコシ)を収穫することができました。
私たちの共同農場では、穀物の種子を生産することで、地域住民が自分たちの畑に作付けする「種の確保」を目指しています。
というのも、住民の中には十分な土地を持っていながらも種を買うお金がない人が多いからです。それに市場で売られる品種改良された種は、1シーズンしか作付けできない上に高額で、貧困層には手が届きません。
そこで私たちのプロジェクトでは、住民が何世代にもわたって作付けできるよう在来種の穀物種子を取り入れ、その拡大生産を目指しています。それにより貧困層の人々でも種子にアクセスし続け、自給食料を確保し続けられるようにする戦略です。
【写真2 拡大生産されたトウモロコシの種】
あるグループの収穫では、作付けした10kgの種から、なんと430kg以上の新たな種子が収穫されました!これにより、グループメンバーはもちろんのこと、他の地域住民に対しても、安価な在来種の種を供給することができます。
収穫と同時に、この種を次の雨季まで適切に保存すべく、収穫後管理の研修も実施しています。トウモロコシの芯から実を取り外す方法、害虫防止の方法など新しいスキルの習得に、支援対象者も興味津々の様子でした。
【写真3 収穫後管理研修の様子】
・村の中まで波及する、野菜栽培の技術
支援対象者の生活の様子を見に、立ち寄った村で、たまたまとてもよく管理されている野菜栽培の苗床を発見しました。これはもしかすると、と思ったのですが、案の定私たちの支援対象者の家庭菜園だったのです。
【写真4 村における支援対象者の野菜栽培実践】
話を聞いたところ、この野菜苗床はプロジェクトの支援対象者が、農場で学んだことを村の中で実践しているとのことでした。さらに嬉しかったのは、私たちの支援対象者だけでなく、他の村人も巻き込んでグループを形成し、野菜栽培に挑戦しているということでした。
プロジェクトを通して学んだ技術が、直接的な対象者を超えて、村の中に広がり、間接的により多くの人々の自立を支えることはまさに私たちが理想としていることです。
農業技術スタッフの野菜栽培に関する技術的な質問に対して、自信満々に受け答えをする支援対象者の様子を見て、私自身も感銘を受けました。
【写真5 村の中で野菜栽培を始めた人々。女性2人は直接支援対象者】
プロジェクトと同時に、彼女たちの村の中での自主的な取り組みが成功するよう、必要なフォローを全力で行い、直接支援対象者のみにとどまらない、地域の自立を目指していきたいと思います。
■ \海外事業の様子をお届け!/【3月・ウガンダ】〜セレモニーの様子〜
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業
カラモジャ事務所長 田畑勇樹