【ウガンダ】自立への前進、地域への波及
【2024年8月 活動レポート/ウガンダ】
先月に引き続き、ウガンダ北東部カラモジャ地域における灌漑農業を通した自立支援プロジェクトについてお伝えします。(前回レポートhttps://www.terra-r.jp/blog/20240903.html)
これまでの報告では、農場での穀物・野菜生産活動にフォーカスしてきましたが、今回のレポートでは、支援対象住民たちの村での様子を中心にお伝えします。
・貯蓄活動
私たちの支援する農業グループは週に1回、村で貯蓄会合を行っています。農業や単純労働によって得た収入をすぐに使ってしまうのではなく、貯金をして適切な支出計画を立てるよう、助言を行っています。
またこの貯蓄には自助グループとしての機能もあります。緊急時に銀行や高利貸しにお金を借りるのではなく、グループから低利子で借入ができることが大きな利点の一つです。
【貯蓄会合の様子】
そこで驚いたのが、昨年度は私たちのスタッフが手伝っていた貯蓄の記帳や現金管理をグループメンバーが主体的に行っていることでした。
またそこには、読み書き・計算の基礎教育を受けている住民たちがペンを握り、活躍する姿がありました。彼女たちは貯蓄記録に従事できるようになってたのです。
【基礎教育を学び、貯蓄の記帳を担当する少女】
このように住民たちが生計向上に必要なあらゆるスキルを学べるよう、引き続き、質の高い技術支援を提供していきたいと思います。
・家庭菜園の普及
昨年度から、私たちの共同農場にて、農業グループの住民たちに野菜栽培の技術研修を行ってきました。
それによってグループとして野菜生産・販売によって収入を得られるようになったことはこれまでもお伝えしてきました。
それに加えて、彼女たちが暮らす村の中でも、学んだ技術を活かして家庭菜園を始める人がちらほらと目立つようになっています。
【テラルネ農場で学んだ技術を活かし家庭菜園を始めた女性を訪問】
今回訪問した女性 (上記写真 右から3番目) は、家のすぐ前のスペースを有効活用し、トマト・ナス・スクマウィキ(葉物野菜) の栽培を始めていました。
半乾燥地帯で野菜栽培が普及していない中、毎日井戸水で水やりをし、野菜を育てる彼女たちの姿は、村の中でも注目を集めています。
なかには、家庭菜園ですでに1万円近くの収入を得られた人も現れています。農場で技術を学ぶだけでなく、それを村の中で活用し、地域へとその波及効果が広まっていくことはプロジェクトにおいても理想的です。
課題は常にありながらも、少しずつ自立に向けて歩みを進める住民たちの姿に、私たちも日々勇気をもらっています。引き続き、彼ら彼女らに寄り添いながら、プロジェクト目標を追求していきたいと思います。
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業
カラモジャ事務所長 田畑勇樹