【ウガンダ】かつての仲間の職場を訪問し、刺激を受ける元子ども兵
【2024年10月 活動レポート/ウガンダ】
私たちは昨年から、パートナー団体や過去に自立を果たした元子ども兵らとともに、隣国に残る元子ども兵らに帰還を呼びかけを開始しました。
その結果、2023年9月、ウガンダで誘拐された元子ども兵とその家族141名が無事帰還できました。
2024年3月からは、帰還した元子ども兵に対する本格的な社会復帰支援を開始しました。彼ら彼女らは今、職業訓練を通して自立を目指しています。
【2023年3月 元子ども兵の故郷訪問に同行する当会 小川 (左から3番目) 】
元子ども兵の中には、帰還後、LRA兵士だったことで周囲からの差別や偏見、そしていじめを受けることもあります。
そのため、私たちの社会復帰支援では、彼ら彼女らが職業訓練を通して経済的に自立するだけでなく、社会とのつながりの中で暮らしを取り戻せるような取り組みを行っています。
訓練開始前や長期休みには故郷への訪問を調整し、元子ども兵たちは少しずつ家族や親戚、そして隣人との関係性を築いています。
8月には第一学期が終わり、職業訓練開始後はじめての長期休みに入りました。
この休みの間に、ウガンダで誘拐された元少年兵たちが、従軍中に結婚した妻や子どもたちを連れて、故郷を訪れることができました。
9月の半ばには職業訓練の第二学期が始まりました。すべての支援対象者が無事施設に戻り、木工大工や洋裁の技術訓練を再開しています。
【新学期の始まり!イスを仕上げる木工大工クラスの元子ども兵) 】
【洋裁クラスでは、服飾デザインの技術習得が進んでいる 】
訓練講師たちによると、新学期が始まってからの生徒たちのやる気は高く、休み明けの二週間で、すべての木工大工クラスの元子ども兵が、講師の力を借りずに、イスを作れるようになったと言います。
訓練開始から約半年が経過し、彼ら彼女らは少しずつ身につけた技術によって、質の高い商品を作ることができるようになっています。
施設での職業訓練を終えたら、実際に身につけたスキルを通して、それぞれがビジネスを始めます。
職業訓練を卒業後、どのようにして自分たちのお店を運営するのか。9月には約半数の生徒たちが、開業後の生活イメージをつけるべく、ビジネスツアーに参加しました。
【ビジネスツアーにて。卒業生のお店を訪問】
今回のビジネスツアーでは、過去に支援をして自立を果たした元子ども兵たちの職場訪問を行いました。かつての仲間であった卒業生たちの活躍は、私たちの施設で学ぶ生徒たちの刺激になっていたようです。
引き続き、一人ひとりに寄り添いながら、彼ら・彼女らの自立に向けて活動を続けていきます。
■ \海外事業の様子をお届け!/【3月・ウガンダ】〜セレモニーの様子〜
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業
カラモジャ事務所長 田畑勇樹