【ウクライナ】 ウクライナ司教が総合福祉センターの建設現場を視察されました
【2024年12月 活動レポート/ウクライナ】
10月初旬まで続いた長い夏も、10月下旬にはいっきに冷え込み、秋を感じる事なく冬が到来したような天気になったウクライナ西部。
霜がおりる前に、何とかベレホヴェ市に建設中の総合福祉センターの外壁の断熱が完了し、三重構造の窓も設置されました。
日本でも、最近はペアガラスとかダブルサッシ等の言葉は馴染みがありますが、マイナス15℃以下ではトリプルガラスでないと、建物内部の暖気は保たれません。
気がかりだった屋根も、断熱材をたっぷり入れて、間もなく完成です。
本来ならば10月末にはこれらの作業を完成させたかったのですが、夏の間の工事の遅延を、なかなか取り返す事ができません。
特に、7・8月は学校が夏休みで、国外で避難生活をしている家族が父親に会いにウクライナに戻って来るため長期休暇を取る作業員も多く、9月に入ると戦況の悪化によって徴兵される人も増えてしまい、人手の確保にも苦労をしています。
ハンガリーをはじめ、スロバキアやルーマニアといった近隣諸国から建築作業員を入れて一気に建ててしまう事も当初は考えましたが、地元の人間に労働の対価を払う事も、支援のひとつの在り方であるため取りやめました。関係者にはご迷惑をおかけしておりますが、地元の人材と、ウクライナ国内の建材を優先的に使用し、粛々と工事を進めております。
この度、我々のウクライナ支援事業の現地パートナーを務める、キリスト教慈善団体のペーテル神父とテオドール司教が建築の状況を視察されました。
ザカルパチアをはじめ、ウクライナ西部は東方典礼カトリック(別名ギリシャ・カトリック)の信者が最も多いエリアですが、テオドール司教は、西部全域の全ての教区と200人以上いる司祭たちの頂点に立つ、とても偉い方です。
訪問されると伺い、とても緊張しましたが意外と気さくで優しい、笑顔が印象的な方でした。
ウクライナと日本は友達だと言ってくれ、何かと風当りの強いハンガリーからの支援に対しても労いの言葉を述べられ、心が動かされました。
【ペーテル神父(左端)、テオドール司教(左から2番目)、コーシャ(中央)、現場責任者ユルチェンコさん(右から2番目)、ヤーノシュ神父(右端)】
モチベーションも上がったところで、来春の完成に向けて、さらに建物の工事を頑張っていきたいと思います。
日本の皆さまのこれまでのご支援、ご指導、誠にありがとうございます。今後とも宜しくお願い致します。
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記事執筆/
海外事業部 ハンガリー事業 ハンガリー事務所長
コーシャ バーリン・黎