【ウガンダ】貧困と紛争の連鎖を打ち切るために〜カラモジャ事業の挑戦〜
【2024年11月 活動レポート/ウガンダ】
私たちが活動するカラモジャ地域では2022年、
飢餓によって1,600人以上の人々が命を落としました。
半乾燥地帯に属するこの地域は、慢性的な水不足の問題を抱える上、
予測不能な干ばつが続き、食料生産が難しい状況にありました。
またこの年はウクライナ戦争の影響で、食料価格が急激に高騰し、
貧しい人々は食べ物を買うこともできませんでした。
食べ物を作ることも、買うこともできない。
人間として最低限必要な食が満たされない人々は、生き残るための犯罪に手を染めました。
飢餓が蔓延する中、食料の強奪等を目的とした窃盗団の犯罪・襲撃等も多発し、
時には死者を出すような低強度紛争(Low Intensity Conflict) が現在も続いています。
【最貧困世帯の世帯調査 2022年10月】
このような状況に対して、テラ・ルネッサンスでは2023年2月より、
飢えに苦しむ地域住民が、自らの力で畑を耕し食料を確保できるよう、
農業を通した自立支援事業を開始しました。
乾燥地帯でも安定した農業ができるように灌漑設備の建設し、
地域住民による食料生産活動が始まりました。
【自ら汗を流し、食料を生産する住民】
プロジェクト経過から1年半が経過し、農産物の収穫ができました。
住民たちは自給食料を生産するだけでなく、
地域の人々が消費する野菜栽培にも挑戦することで、
販売による収入を得られるようにもなりました。
初めて会った時は
「私たちには何もできない。生きるための食料を支援してほしい」
と繰り返していた人々が満面の笑みで
「私たちの作ったトマトを買ってちょうだい!」
と言ってくれた時には、
住民たちの生活が、そしてこの地域の未来が変化していくことを確かに感じました。
【トマトを収穫した女性たち】
この事業を通して農業に励む地域住民が、
自らの手で食料を作り、その胃袋を満たすことができるなら。
暴力に頼らずとも、生きるために不可欠な「食」を満たせる活動が広がれば。
それは住民の自立した生活を達成するだけではなく、
この地域で多発するあらゆる暴力・紛争の解決と予防に貢献できると私は確信しています。
【ナスを収穫して喜びを表現するグループ】
日頃からテラ・ルネッサンスの活動をご支援いただき、本当にありがとうございます。
皆様から頂くご寄付のおかげで、支援活動を継続できています。
グローバル経済・戦争、気候変動など、世界がますます不安定になる中で、
その影響を間接的に受けてきたカラモジャ地域。
私たちはこの場所で生きる人々と共に、
貧困と暴力の連鎖を打ち切るための自立支援事業を続けていきます。
引き続き、テラ・ルネッサンスへのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
テラ・ルネッサンスでは、2024年11月13日(水)~2025年1月15日(水)まで、冬季募金キャンペーン「紛争を終わらせる。」を実施しています。
皆さまからお寄せいただいたご寄付は、今、世界で起こっている紛争を一つでも終わらせるために、そして、紛争の被害を受けた方々の自立支援をはじめ、テラ・ルネッサンスのすべての事業で、大切に使わせていただきます。
どうか、紛争を終わらせる活動に、力を貸してください。
▼冬季募金キャンペーン2024▼
[実施期間]11/13 - 1/15
[目標金額]30,000,000円
詳細はこちら:https://www.terra-r.jp/tokibokin2024.html
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業 カラモジャ事務所長
田畑 勇樹