テラ・ルネッサンスが京都大学のアフリカ人学生向けに開催した講演会とそこでの学び
2022年・2023年に引き続き、今年も京都大学が実施する「アフリカにおけるSDGsに向けた高度イノベーション人材育成のための国際連携教育プログラム」の学外研修の一貫として、京都大学に招聘されたアフリカからの短期交流学生14名に対し、英語で弊会のアフリカでの活動紹介、事務所案内をする機会をいただきました!
今回の講演会では、弊会理事長の吉田とウガンダ事務所のジミーが、子ども兵問題とテラ・ルネッサンスが取り組む支援策について紹介しました。その中で、元子ども兵たちの自立の重要性を強調しました。質疑応答では、アフリカの様々な国で異なる学問分野を専攻する学生たちが、吉田とジミーに質問を投げかけ、子ども兵問題に対する多様な視点を知ることができました。
【講演会の様子】
例えば、ウガンダ出身の学生は、弊会が活動するウガンダ北部のグル地域が国内の他の地域から完全に隔絶されており、情報格差に苦しんでいるという現状を指摘しました。これは、これまで私が知らなかった事実です。彼は、テラ・ルネッサンスの支援は、現状に比べて十分かと質問しました。確かに、テラ・ルネッサンスの活動は必要不可欠ですが、北部ウガンダの社会経済状況を改善するためには、他の団体の参加が強く望まれるでしょう。
さらに、ガーナ出身の政治学を専攻する学生は、テラ・ルネッサンスの活動はセンシティブな問題にも触れるため、政府との関係について質問しました。ジミーは、テラ・ルネッサンスはいかなる勢力にも肩入れせず、ただ元子ども兵を支援したいだけだと説明しました。人道支援NGOの活動における政治力学について考えさせられる機会となりました。
講演の後は、アフリカ人学生たちにテラ・ルネッサンスの京都事務局を見学してもらいました。
その後、彼らの宿泊先へ向かう道中で、彼らと会話をすることができました。アフリカ人学生と話すのは初めての経験でした。彼らは皆、非常に聡明で、知識が豊富で、意欲的でした。例えば、アフリカにおける民族間の関係について質問したところ、ケニアでは人々は概ね平和的に共存しており、争いなどは少ないということを知りました。しかし、特定の民族がより高収入の仕事を得ることは依然として困難な状況も残っているそうです。
また、様々な国における女性の社会的な地位について質問したところ、教育水準が向上し、社会的な期待が平等へと変化していることを知って嬉しく思いました。しかし、女性差別的な伝統は、形を変えながらも残っているそうです。例えば、エチオピアではFGM(女性器切除)はまだ禁止されていませんが、最近では「社会進歩」として、病院で施術を受けることが推奨されているそうです。
【私とアフリカ人の学生たちは神宮丸太町駅の前で写真を撮りました】
今回の学生たちとの交流を通して、人権に基づくアプローチの複雑さやアフリカの文化に対する理解を深めることができ、非常に有意義な時間となりました。
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記事執筆 / 国際運動推進部
インターン 羅逸悦