【コンゴ】新たな困難も柔軟に乗り越える、紛争被害女性たちの取り組み
【2024年12月 活動レポート/コンゴ】
コンゴ民主共和国中央カサイ州では2016年に大規模な紛争が発生し、その影響で多くの人々が家族を失いました。
テラ・ルネッサンスの支援プロジェクトに参加した女性のうち、95.7%が家族(親、兄弟姉妹、夫、子どもなど)を失い、平均して一人あたり2.2名の三親等以内の家族が死亡していました。さらに、約6割が夫を殺害され、自身の子どもを亡くしています。
こうした背景を持つ女性たちのうち、2018年に支援対象者として受け入れた280名の中から60名が洋裁訓練を受講しました。訓練により技術を習得した2019年からは洋裁店を開業し、生計を向上させる取り組みを進めています。
今回、彼女たちのその後の様子をモニタリングしてきました。
コロナ禍においては、学校が閉鎖され、主要な収入源である制服制作の注文が激減しました。彼女たちは家族を養うために日雇い労働や材料費のツケ払い、洋裁店舗でお菓子や食料品を販売するなど、さまざまな手段を駆使して生計を維持しました。
その後、学校再開により制服制作の注文が戻り、収入が安定化しました。
しかし、ウクライナ危機による物価高騰等の経済的影響もあり、洋裁の繁忙期(クリスマスや新学期前)以外の時期に取り組む新たな生計手段として、ヤギや豚などの家畜の飼育・販売を開始し、柔軟に適応しています。
また、一部の女性たちは機材の盗難(強盗)という新たな困難にも直面しましたが、家畜販売で得た収入を用いて必要な機材を再購入することができました。
自立した後も、さまざまな困難やリスクに直面しながらも、家族の生活を守るために、懸命に仕事を続けています。
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記事執筆/
ウガンダ・コンゴ事業部理事/海外事業部長
小川 真吾