【コンゴ】支援により2017年に設立した協同組合をモニタリング!
【2025年1月 活動レポート/コンゴ】
コンゴ民主共和国南キブ州では、紛争や性暴力の被害を受けた女性たちを対象に、付加価値の高い乳製品の販売促進を通じた生計向上支援を実施しています。本プロジェクトでは、2017年に設立された生産者協同組合を基盤とし、その生産性向上を目指して組合の管理方法に関する研修やサポートを実施しています。
この協同組合は、2017年の設立以来、乳製品の加工・販売を続けてきました。しかし、この道のりは決して平坦ではありませんでした。特にコロナ禍においては、収益が激減し、多くの組合員が脱退するなど、組合の存続危機に直面しました。
一時は生産が完全に停止する状況にまで追い込まれましたが、その後、テラ・ルネッサンスのフォローアップを受けながら活動を再建し、徐々に回復していきました。
その努力が実を結び、昨年、協同組合は地域の優良組合として行政から認定を受けました。これを機に生産量を増やし、新たにアンテナショップを開設。そこからの収益により、生計を安定させることができています。今年度も、収益計算やビジネススキルの助言、販促活動の支援を中心にフォローアップを継続しています。
【お餅のように見えるチーズ】
2024年10月の時点では、185リットルの牛乳を販売することができました。また、衛生的な環境で生産された牛乳は、栄養失調の子どもたちにミルクを提供するスイス企業からの大量注文を受けるまでになっています。こうした販促活動も、引き続きサポートしていきます。
現在、協同組合のメンバーは、働く日数に応じて毎月20ドルから65ドルの収入を得ています。乳製品の加工においては、10リットルの牛乳から1kgのチーズを生産しており、チーズの保存性を活用して牛乳の販売量が少ない時期を補う運営がなされています。
一方で、牛乳の原料となる牛は外部から購入しており、これが地域の牛飼いの収入源となっている一方で、自前の牛を持つことで収益率をさらに高められる可能性があるため、その準備も進めています。
しかし、課題は依然として残っています。例えば、牛乳や製品を運搬するための三輪車バイクの故障や、ソーラーパネルの修理費用など、日々の活動に必要な設備の維持が大きな負担となっています。このような状況の中でも、当会は可能な限り支援を継続するとともに、組合メンバー自身が問題解決の力を育むための助言を行っています。
これからも、協同組合の活動が地域に根付き、持続可能な形で発展するよう努めていきます。
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記事執筆/
ウガンダ・コンゴ事業部理事/海外事業部長
小川 真吾