【啓発】ニコンで中高生向け講演会を開催しました！～紛争鉱物問題と私たちにできること～
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2024年12月10日、株式会社ニコン様の本社/イノベーションセンターにて、品川翔英中学校高等学校の生徒さん約160名とニコン社員さんに向けて、弊会理事・海外事業部長の小川真吾が講演を行いました。
ニコンの責任ある鉱物調達への取り組み
ニコン様は、企業理念である「信頼と創造」のもと、サステナビリティを積極的に推進しています。その一環として、紛争鉱物問題にも真剣に取り組んでおり、責任ある鉱物調達方針を策定し、以下の活動を行っています。
調達パートナーとの連携: 責任ある鉱物調達方針への合意を求め、OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスに沿った調査を実施しています。
- 調達パートナーとの連携: 責任ある鉱物調達方針への合意を求め、OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスに沿った調査を実施しています。
- リスク特定と低減: 鉱物の原産国調査を毎年実施し、紛争や人権侵害のリスクを特定し、低減するための取り組みを行っています。
- 情報公開: 調達活動の透明性を高めるため、責任ある鉱物調達に関する情報を積極的に公開しています。
- NGO・NPOへの支援: テラ・ルネッサンスへの寄付などを通して、コンゴにおける紛争被害者の自立や紛争解決に向けた取り組みを支援しています。
小川からは、コンゴ民主共和国の現状、紛争鉱物問題、そして企業や私たちにできることを中心にお話しました。
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“忘れられた紛争”の影で生きる人々
コンゴ民主共和国では、1990年代後半から続く紛争により、多くの人々が犠牲になっています。世界で最も紛争が長期化している国のひとつでありながら、国際社会からの関心は薄く、「忘れられた紛争」と呼ばれています。
小川は、コンゴでは3万人以上の子どもたちが兵士として戦場に駆り出されていることや、毎日100人以上の人々が紛争が原因で命を落としている現実を伝えました。
コンゴでは、紛争の影響で多くの人々が家を追われ、避難生活を強いられています。食料や水、医療も不足し、マラリアなどの感染症も蔓延しています。特に抵抗力の弱い5歳未満の子どもたちが、下痢など治療すれば治る病気で亡くなっています。
小川は、これらの現地の状況から紛争の残酷さを訴え、平和の尊さを改めて生徒たちに問いかけました。
テラ・ルネッサンスの活動
こうした状況の中、テラ・ルネッサンスは、人道支援と自立支援の両軸で活動を展開しています。
人道支援:
蚊帳やマラリア治療薬の配布などを通して、人々の命と暮らしを守っています。
自立支援:
洋裁や養蜂などの職業訓練を通して、人々が自力で生計を立てられるように支援しています。
小川は、支援活動の様子を写真で紹介しながら、紛争を終わらせるためには、人道支援だけでなく、人々が貧困から抜け出し、自立して生きていけるようにすることが重要であることを伝えました。
なぜ、紛争が続いているのか
コンゴの紛争長期化の背景には、豊富な鉱物資源の存在があります。スマートフォンやパソコンなどに使用される鉱物資源をめぐる争いが、武力衝突を激化させ、紛争の長期化を招いています。鉱物調達について世界的な規制が整備されている一方で、人々は生きるために危険な鉱山で働かざるを得ず、不法に採掘された鉱物が密輸され、武装勢力の資金源になっているのです。
小川は、このような紛争鉱物問題の解決に向けて、企業の責任ある調達、NGO/NPOの活動、そして私たち一人ひとりの行動が重要であることを訴えました。
企業・私たちにできること
紛争を解決するためには、企業、NGO/NPO、そして私たち一人ひとりの協力が不可欠です。
企業には、責任ある鉱物調達方針を策定し、サプライチェーン全体で人権と環境に配慮した取り組みを行うことが求められます。
NGO/NPOは、現地での支援活動や政策提言などを通して、紛争の解決に貢献することができます。
そして、私たち一人ひとりにもできることがあります。
- 資源のリユース・リサイクル: 限りある資源を有効活用することで、新たな採掘を減らすことができます。
- エシカル消費: 企業の社会的責任を考慮した商品を選ぶことで、責任ある企業の活動を応援することができます。
- 伝えること: 講演会で学んだことを周りの人に伝えることで、問題解決への輪を広げることができます。
講演を終えて
講演後には、生徒さんたちから多くの質問や感想が寄せられました。
国際協力活動を始めたきっかけ、NPOと企業との連携方法、学生としてできること
など、生徒さんたちの真剣な眼差しと、積極的に質問する姿が印象的でした。
「同じ時間を過ごしているのに、国によってこんなにも、状況が違うと驚いた。」
「自分1人が何かを頑張っても変わらないと考えていた。でも自分が周囲の人に情報を広げていけば、みんなで協力して問題解決に取り組めると思った。」
このような感想からも、生徒さんたちが今回の講演を通して、世界の問題や企業の社会的責任、そして自分たちにできることについて深く考えるきっかけを得られたことが伺えます。
ニコン様からは、
「生徒さんたちが熱心に講演を聞き、積極的に質問する姿を見て、今回の講演会を開催して本当に良かったと感じています。今後も、このような機会を通して、様々な世代に社会課題への関心を高めてもらいたいと考えています。」
とのお言葉をいただきました。
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テラ・ルネッサンスにとっても、企業との協働で、若い世代に紛争鉱物問題について知ってもらう機会をいただけたことは大変意義深いものでした。
今回の講演会が、参加した生徒さんたちにとって、将来を考える上で、そして持続可能な社会を築いていく上で、貴重な経験となることを願っています。
テラ・ルネッサンスは、今後も、企業や教育機関との連携を強化し、より多くの人々に紛争鉱物問題について知ってもらい、共に考え、行動していくための活動を続けていきます。
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記事執筆／
啓発事業部 寄付・法人連携担当
伊藤 あかり
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