【ウクライナ】 ロシアのウクライナ侵攻から3年を迎えて
【2025年2月 活動レポート/ウクライナ】
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2025年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻開始から丸3年が経ちました。この日、ウクライナでは突如として学校が休校となり、病院や診療所などは夜間も営業するよう政府からの通達があり、不穏な空気が漂いました。
ロシアの大規模な空爆があるのではないかと懸念された為、我々はウクライナへの入国を断念し、ハンガリー東部のニーレジハーザ市に宿泊し、万一の事態に備え様子を見ることにしました。
ウクライナ支援事業で提携をしているザカルパッチャ州のギリシャ・カトリック・カリタス代表のペーテル神父には、国境地帯まで支援物資を取りに来てもらいました。ウクライナ国籍の彼は徴兵対象者ですが、慈善団体の代表かつ三人の子供を持つ大家族の世帯主という事で、今のところ兵役は免除され、国境を越える事が可能なのです。
ハンガリーでは、侵攻から3年経った現在も、生活に苦しむウクライナ難民・国内避難民の人々のために、衣服やタオル、毛布、寝具といった生活必需品の寄付が集まります。この日もワゴン車のトランクがいっぱいになるほどの支援物資を渡すことができました。

翌25日、ウクライナ事業地の情勢に変化がないことを確認したため、弊会が現在、ウクライナ・ザカルパッチャ州ベレホヴェ市で実施している総合福祉センター建設プロジェクトの進捗を視察してまいりました。
去年から始まった福祉センターの建設事業もいよいよ折り返しを過ぎ、完成が見えてきました。施工業者のユルチェンコさん曰く、屋根や排水処理設備の施工が完了し、工事全体のおよそ三分の二が完了している状況とのことです。2025年夏の完成に向けて、スタッフ一同全力を尽くして工事を進めてまいります。


【完成した屋根を背景にコーシャ(左)とユルチェンコさん(右)でツーショット】
ロシアによる侵攻から3年経った現在でも、ウクライナの人々は通常の生活に戻ることができていません。なかなか状況が改善されない中、新たに就任したトランプ大統領は米国の対外支援事業を停止するなど、ウクライナに対する国際援助の規模は縮小されつつあり、人々の生活は悪化の一途をたどっております。
その中でわれわれができることは、ウクライナの問題を決して忘れず、できる範囲でサポートを続けていくことです。皆様の温かい支援が弊会の活動の原動力となります。引き続き、よろしくお願いいたします。
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記事執筆/
海外事業部 ハンガリー事業 ハンガリー事務所長
コーシャ バーリン・黎