【ブルンジ】コンゴ難民の子ども、200世帯への教育・生活改善支援を実施
【2025年3月 活動レポート/ブルンジ】
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コンゴ難民の置かれた状況
コンゴ民主共和国東部では反政府武装勢力M23の武力侵攻を受け、多くの人々が難民となり、隣国ブルンジに逃れました。
ブルンジに逃れたコンゴ難民の数は約69,000人に達し、特に2025年2月以降、急激に増加しました (UNHCR 2025/03/21)。
現在はコンゴ国境近くの難民トランジットセンターから、ブルンジ東部ルタナ県にある難民サイトへ、コンゴ難民の移送が進んでいます。

【ルタナ県にある難民サイトの風景】
急激に増加した難民サイトでは、住居の整備が追いつかず、新たに到着した多くの人々が仮設テントのもとで暮らしています。
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【難民サイトの仮設テント内の様子】
サイト内では、食料や生活物資などの基本的ニーズが不足しています。
また医療環境も不足しており、マラリア等の治療可能な病気で命を落とす人もいます。
そして難民として逃れてきた人々の中には、性暴力の被害に遭った女性や、目の前で家族を殺害された人もいて、彼ら・彼女らの身体的・心理的ケアも必要な状況です。
このような状況を受けて、テラ・ルネッサンスでは、難民サイトにて、コンゴ難民の緊急支援を実施することを決めました。
難民サイトにて、緊急支援を実施
今回は同伴者のいない子どもや、ブルンジに逃れる中で両親と離れ離れになった子どもたち200名を対象に生活物資の配布とカウンセリング活動を実施しました。
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【200世帯の子どもたちに生活物資を配布。(左から、駐在員川島、支援対象者、ブルンジ人スタッフ)】
今回配布した生活物資は、石鹸や衣類、プラスチック食器類などの生活必需品です。
また難民サイトは夜間の冷え込みが厳しいことから、毛布とゴザも配布しました。
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【200世帯の子どもたちに配布した物資の一部】
続いて、カウンセリングアクティビティの様子です。
数日に分けて、難民サイト内で雇った難民ボランティアとともに、様々なアクティビティを行いました。

【カウンセリングアクティビティの様子】
特に仲間たちと身体を動かすアクティビティの日には、子どもたちの笑顔が弾けるシーンもありました。
子どもたちが描く、コンゴの記憶
また別の日には、コンゴの思い出を絵として描くアクティビティを実施しました。
しかし、そこで彼らが思い出として描いた絵の多くは「紛争の記憶」でした。

【コンゴでの記憶を絵に描く難民の子ども】
「家が武装グループによって襲撃されたシーン」
「お父さんが銃で撃たれて、倒れているシーン」
「家族と離れ離れになって、ブルンジに逃げてきたシーン」
子どもたちは、そのように、自らが描いた絵を説明しました。

【子どもたちが描いた絵】
まだ小さな子どもたちが「故郷の思い出」とテーマを聞いて描くのは紛争や暴力、そして家族を失い、難民として国を追われる景色。
その様子を見ていると、本当に胸が締め付けられる思いがして、「こんな世の中であってはいけない」と強く思いました。
私たちにできることは限られているかもしれませんが、引き続き、コンゴ・ブルンジの両側で、この紛争によって傷ついた人々の支援を続けていきます。
テラ・ルネッサンスでは現在、コンゴ紛争で危機迫る命に守るべく、クラウドファンディングも実施中です。ぜひこちらもご確認ください。
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記事執筆
海外事業部 アフリカ事業担当
田畑 勇樹