【コンゴ緊急人道支援】これまでコンゴ東部で支援してきた方々の状況と今後の支援について
あたたかいご支援・ご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。
テラ・ルネッサンスの南キブ州の活動地ほぼ全てがM23の侵攻ルート上にあり、スタッフとその家族の安全を守るため、現在、同州での活動を一時停止しています。
ブカブ事務所も一時閉鎖し、活動拠点をウビラ(南キブ州第二の都市)に移動し、緊急支援活動を継続しています。

赤矢印:M23の侵攻ルート。これまでの活動地域を縦断するようにM23の侵攻が続いており、
弊会の事務所が位置するブカブ市もM23に制圧された状態が続いている。
現在、スタッフおよびその家族、そして当会の支援を受けている対象者の無事は確認できていますが、未だにM23武力侵攻による大きな影響を受けているのが現状です。
【事業地への影響】
1)乳製品の加工・販売グループ
乳製品の加工・販売のための技術支援を実施したグループ36名とその家族合計100名が、M23の戦闘から逃れるために隣国ブルンジに避難し、難民となりました。ところが、逃げた先では十分に衣食住を満たすこともできず、支援を受けることが出来なかったため、3月末に危険を承知で地元に戻ったところ、当会の支援により建設した乳製品の加工を行う施設はM23に襲撃され、機材等も略奪されていました。


M23による襲撃を受けた生産者協同組合の施設。ここで乳製品の加工等を行っている。
このグループは、元々紛争や性暴力の被害を受けた女性たちを対象に、乳製品の加工技術訓練を行い、生産者協同組合を設立し、乳製品のビジネスにより自立支援を実施してきました。様々な課題を乗り越えながらも、地域の優良組合として行政から認定を受けるまでに成長し、これを機に生産量を増やし、新たにアンテナショップを開設するなど、順調に自立を果たしているところでした。
そうした中で、今回の紛争の激化を受け、これまで築き上げてきたものが大きく崩れてしまいました。組合の活動を立て直すことは、非常に困難な道のりです。
活動詳細:https://www.terra-r.jp/blog/20250131_congo.html
2)養蜂グループ
これまでテラ・ルネッサンスの支援を受け、養蜂によりはちみつの加工・販売により自立を果たしてきたグループも、今回の紛争の影響を受けています。

自立支援によって養蜂を行う元子ども兵
彼ら・彼女らが養蜂を行うカレヘ行政区もM23の襲撃を受け、多数の犠牲者や難民・避難民が出ました。養蜂グループをはじめ、この地域で当会の支援を受けた人々は、襲撃を受けた町から離れた農村部(徒歩で15~20時間の距離)に住んでいるため、戦闘による直接的な被害はなく、全員の無事が確認できています。しかし、物流が止まり、物価高騰による生活への影響を受けています。
また、今年度採集・加工したハチミツは全て販売済みですが、次年度ハチミツを採集・加工しても、M23が支配する町へ行き、販売のための容器等の資材を調達することも、売りに行くことも、大きな危険を伴います。
こうした状況が続くと、治安の悪化や物価高騰、医療へのアクセス制限などにより、戦闘による直接的な被害により亡くなる人よりも、間接的な影響により命の危機に陥る人が増大することになります。
【今後の事業地での緊急支援】
これらの状況を踏まえて、2025年度は下記の活動を実施する予定です。
1.これまで当会の支援を受けた方々へのフォローアップおよび緊急支援
養蜂グループや乳製品の加工・販売グループを含め、南キブ州で当会がこれまで支援してきた人々に対し、今回の紛争による影響を調査し、必要な支援を実施します。また、これまで積み重ねてきた成果を維持・継続できるよう、紛争下でのビジネスのフォローアップも行います。
ビジネスに必要な資機材の調達・運搬支援については、乳製品加工グループには失われた加工機械や冷蔵設備、養蜂グループには新しい養蜂箱や蜂蜜の容器などを提供します。
紛争の影響を受けたビジネスの立て直し支援では、経営相談や新しい販売ルートの開拓支援などを行います。
2.今回の紛争による被害者への緊急人道支援
戦闘により、病院、学校、市場などのインフラが破壊され、食料、医薬品、生活必需品が不足し、人々の生活は困窮しています。特に、M23に占領された地域では、公務員や司法関係者が失業し、銀行業務が停止されるなど公共サービスや経済活動が停滞し、物価も高騰しています。
コンゴ東部の当会活動地域で被害を受けた方々に対し、紛争による負傷者や病人の病院への搬送や病院への医薬品・医療器具の提供など医療支援、水・衛生環境の改善や食料・石鹸・毛布など生活必需品の配給など物資支援を中心に緊急人道支援を実施します。
3.マラリア予防・治療支援
もともとコンゴ民主共和国では、マラリアが深刻な問題となっており、特に貧困層や紛争被害者は栄養状態の悪化や医療へのアクセス不足により、マラリア感染のリスクが高まっています。当会はこれまでマラリア治療薬・予防薬や蚊帳の提供と、マラリア予防のための啓発活動を実施してきました。
今回の紛争により、物価高騰や医療へのアクセスがさらに制限され、マラリアによる死者が急増する可能性があります。そこで、予防薬や蚊帳の提供、マラリア予防の必要性・重要性・正しい蚊帳の使い方を伝える啓発活動など予防支援、治療薬の提供や通院のサポートなど治療支援を引き続き行います。
※緊急支援の内容は、現場のニーズに柔軟に応じて実施するため、変更になる可能性があります。
皆さまからお寄せいただいたご寄付は、上記の活動に活用させていただきます。
コンゴ民主共和国東部の人々が再び平和な生活を取り戻せるよう、私たちは全力で支援活動に取り組んでまいります。
引き続き、現場のニーズに柔軟に対応しながら、必要な支援活動を実施していきます。
今後もご関心をお寄せいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
コンゴ緊急人道支援にご支援ください。

コンゴ民主共和国東部での反政府武装勢力M23の武力侵攻を受け、
私たちの事務所のあるブカブ市も、M23に制圧されました。
一人でも多くの命と暮らしを守るために、
被害を受けている方々への緊急人道支援を速やかに実施します。
そのためには、資金が必要です。
どうか私たちの活動を寄付という形でご支援いただけないでしょうか。
詳細・ご寄付はこちら:https://readyfor.jp/projects/peaceforcongo
Vポイント(旧Tポイント)・PayPayでのご寄付はこちら:https://donation.yahoo.co.jp/detail/5449003