【ミャンマー地震 緊急レポート】倒壊した寺院、スラム街で避難生活を送る人々… 調査2日目の報告
(2025年4月10日 現地より特派員によるレポート)
皆様、いつもテラ・ルネッサンスの活動にご理解とご支援をいただき、誠にありがとうございます。
ミャンマー地震の調査2日目となる4月10日は、マンダレー市内でも特に被害が大きかった西部地域を、地元の協力者の方々と共に調査しました。

変わり果てた街並み
昨日訪れた地域と比べ、西部地域は倒壊家屋の比率が格段に高く、地震の爪痕の深さを改めて感じました。

[写真1:倒壊した家屋が広範囲にわたって続く写真。]
200年の歴史を持つ寺院も、古い建物は完全に崩壊し、8名の方が犠牲になったと聞きました。

[写真2:崩壊した寺院の写真。]
倒壊した堂にはお供え物があり、これは仏教と地元の呪術を融合した慣わしだそうです。犠牲者の供養と、土地のお祓いの意味が込められているとのことでした。
.jpg)
[写真3:お供え物の写真。]
スラム地域の壊滅
特に被害が大きかったのは、市内西部のスラム地域です。地震による建物の倒壊と、その後の火災により、一帯が壊滅的な状況となっています。

[写真4:焼け跡が広がるスラム地域の写真。]
この地域は、耐震性の低い木造や簡易建築が密集しており、火災の延焼を防ぐ手立てがほとんどなかったため、被害が拡大しました。ほぼ全ての住民が住む場所を失い、路上での避難生活を余儀なくされています。


[写真5・6:路上に建てられた仮設の小屋で生活する人々の写真。]
国際組織や地元の団体による食料や水の配給は始まっていますが、衛生状態は非常に悪く、伝染病の発生が懸念されます。
避難所のジレンマ
この地域から300mほど離れた場所に、国連組織が中心となって「避難所」が開設されています。まだ全ては完成していませんが、テントは準備されており、WFPからの食料援助なども入っています。

[写真6:建設中の避難所の写真。]
しかし、避難所の環境は路上よりは清潔で衛生状態も整っているにもかかわらず、住民の多くはあまりここに移りたくないと言います。その理由は、元の場所の土地が奪われるのではないかという不安と、元の場所であれば地元の信頼できる団体からの支援を得られるが、国連や国際機関の支援は信頼し難いということでした。
住む場所を全て失い、行く宛もなくその場に留まらざるを得ない人々の生活環境は過酷です。経済的な理由で移動したくてもできない人もいるし、住み慣れた土地を離れたくない、そこにいるしかないという現実に心が痛みましたが、その選択・現実を認め、寄り添った上での「押し付け」ではない支援が必要なのだろうと感じました。
迫りくる脅威
これからミャンマーは雨季に入り、サイクロン(台風)も発生する時期になります。今の状態で台風が来れば、更なる被害が出ることは想像に難くありません。
皆様のご支援をお願いいたします
テラ・ルネッサンスは、現地のニーズに寄り添い、必要な支援を届けるために、引き続き調査活動と支援活動を続けてまいります。
皆様の温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。