【ミャンマー地震 緊急レポート】調査4日目:廃墟と化した街、忍び寄る二次災害の脅威 - マンダレー郊外の街タダウー・インワより
皆さま、こんにちは。 本日4月12日は、私たちの調査チームが活動を開始してから4日目の様子をお伝えします。
本日はマンダレー郊外の街タダウーと、古都インワの状況を調査しました。3月28日の壊滅的な地震から2週間以上が経過しましたが、目の当たりにする現実は依然として厳しく、人道危機は深刻化しています。
タダウー:街全体が廃墟に-倒壊家屋と公衆衛生の危機
まず訪れたタダウーの街は、言葉を失うほどの惨状でした。街全体が文字通り廃墟と化し、数百軒の家屋が完全に倒壊。かろうじて形をとどめている建物も、多くが危険なほど傾いています。中には30度も傾いている建物もあり、余震があればいつ崩れてもおかしくない状態です。

(倒壊した家屋)
地元の住民の方々が限られた道具で、危険を顧みず瓦礫の撤去や解体作業にあたっていますが、専門的な知識や重機がないため、作業は難航し、二次的な事故のリスクも高まっています。安全な解体・撤去作業を進めるための専門的な技術支援が急務であると感じました。
さらに深刻なのは、公衆衛生の問題です。瓦礫の下には、まだ多くの犠牲者が取り残されていると地元の方は話します。重機がないため、救出・遺体収容作業が進んでいないのです。街なかには瓦礫の山から異臭が漂い、溜まった水たまりは、蚊などの病気を媒介する虫の発生源となっています。

(瓦礫が山積みになっている様子)
これからモンスーン(雨季)の時期を迎えることを考えると、コレラや腸チフスといった感染症の蔓延、デング熱などの媒介性疾患の発生リスクが非常に高まっています。安全な飲み水の確保はもちろん、一刻も早い瓦礫の撤去と、水・衛生環境(WASH)の改善が求められます。
経済活動も完全に停止しています。ほぼ全ての商店や企業が閉鎖され、街の機能は麻痺状態です。
インワ:文化遺産の崩壊と失われた生計
次に訪れたインワでは、タダウーとは異なる形で地震の爪痕が残されていました。人的被害はタダウーほどではないものの、この地の象徴であった数々の古代寺院やパゴダが無残にも崩れ落ち、レンガとモルタルの山と化していました。

(崩壊したインワのパゴダ)
これは単なる文化的な損失に留まりません。インワの住民の多くは、これらの文化遺産を訪れる観光客を相手にした観光業で生計を立てていました。遺跡の崩壊は、彼らの生活基盤そのものを奪う「二次災害」となっているのです。かつては賑わっていたであろう土産物店やツアーサービスの多くが、今は静まり返っています。復旧の見通しは全く立っておらず、住民の方々の表情には深い疲労と不安の色が浮かんでいました。

(閑散とした観光関連産業の様子。馬車の運転手が仕事がなく寝ている様子)
立ちはだかる課題と支援ニーズ
今回の調査で、タダウー、インワともに、多くの課題が浮き彫りになりました。
●資源不足: 遺体収容や、がれき撤去のための重機、安全な解体作業に必要な機材が圧倒的に不足しています。
●連携不足: 食料や水、一時的な避難場所などの基本的な支援は一部届き始めていますが、建物の危険性評価や公衆衛生対策といった、より専門的な対応については、組織間の連携が十分とは言えず、効果的な支援が行き届いていない状況が見られます。
これらの状況を踏まえ、テラ・ルネッサンスは以下のニーズが緊急に必要であると判断しています。
1.公衆衛生の維持(特にタダウー):
・感染症蔓延を防ぐための、瓦礫撤去、水・衛生環境の改善、媒介生物の駆除。
2.生活再建への支援(タダウー・インワ):
・被災し、仕事を失った家族への緊急経済支援。
・長期的な視点での経済復興プログラム(タダウーでは商業全般、インワでは観光に代わる生計手段の確保や文化遺産修復)。
皆さまからのご支援が、今、必要です
状況は刻一刻と悪化しています。特にモンスーン期が近づく中、さらなる被害や感染症の拡大を防ぐためには、一刻も早い介入が不可欠です。
テラ・ルネッサンスは、現地のパートナー団体と連携し、これらの緊急ニーズに応えるための支援活動を計画・準備(一部実施中)しています。
専門家チームの派遣サポート、衛生用品の配布、そして生活再建のための現金給付など、私たちができる支援を届けるためには、皆さまからのご寄付が不可欠です。
被災された方々が、少しでも早く安全を取り戻し、未来への希望を持てるように。
どうか、あなたの温かいご支援をお願いいたします。
緊急人道支援へのご寄付のお願い
■クラウドファンディング実施中(クレジットカード、銀行振り込み、d払い)
https://for-good.net/project/1001944/activity#main-activity-report
どうか、あなたの温かいご支援をお寄せください。一人ひとりの力が、大きな希望の光となります。