【夏季募金2024キャンペーン企画】『明日へ。vol.4』
明るい未来を目指して。
テラ・ルネッサンスは、ロシアによるウクライナ軍事侵攻後すぐの2022年3月よりスタッフを派遣し、ハンガリー・ウクライナにて、ウクライナ難民・避難民およびホストコミュニティに対し、現地パートナーとともに生活支援および自立支援を行っています。
支援活動のひとつとして、CSCs「社会貢献型現金給付支援」を実施しています。CSCs「社会貢献型現金給付支援」とは、支援対象者の方々の主体性を最大限尊重しながら、その人にできる社会貢献(モノ作りやサービスの提供)の機会を提供し、その対価として、テラ・ルネッサンスから現金を給付する支援のことです。
今回弊会ハンガリー事務所所長コーシャと、フェローの冨嶋がインタビューしたのは、ウクライナ西部ザカルパッチャ州に住むスコロバツキ・アドリエンさん。アドリエンは、ウクライナ事業開始後にテラ・ルネッサンスで働きはじめた現地スタッフの一人です。ウクライナ事業では、ザカルパッチャ州では計6か所のキッチンポイント(炊き出し場所)を運営していますが、その中でアドリエンはキッチンポイント全体の運営責任者をしています。
戦争の影響がある地域に住んでいますが、支援を受ける側(受益者)ではなく、私たちと一緒に支援活動を行っているスタッフです。
テラ・ルネッサンスの一員として、平和を願いながら活動するアドリエンのインタビューをぜひご覧ください。
【支援活動を行うアドリエン(写真右)】
⚫︎テラ・ルネッサンスを知ったきっかけ
(冨嶋)どのようにしてテラ・ルネッサンスを知りましたか?
(アドリエン)2022年3月にテラ・ルネッサンスを知りました。この時すでにウクライナとロシアの間で戦争が始まっており、テラ・ルネッサンスのスタッフはザカルパッチャ州に来て、ウクライナ東部からの国内避難民や、西部地域に残った人々を支援していました。
⚫︎テラ・ルネッサンスの一員になった理由
(冨嶋)どのようにしてテラ・ルネッサンスの一員になったのか、また、今現在の仕事のモチベーションは何ですか?
(アドリエン)半年間は外部の支援者としてテラ・ルネッサンスの活動に参加していましたが、2022年10月からは聖パンテレイモン・カリタス※が設立され、テラ・ルネサンスの支援で運営される6つのキッチンポイントの運営責任者になりました。
これらのキッチンポイントは主に一人暮らしの高齢者、国内避難民、そして深刻な貧困に苦しむ大家族に対し、週2回、250名~300名の人々に温かい昼食を提供しています。牧師の妻であり、また3児の母として、この困難な時代に一人でも多くの人を助けることが、私の仕事へのモチベーションとなっています。
※ウクライナ事業を行う際の現地パートナーです。
◆聖パンテレイモン・カリタス・ザカルパッチャ・ギリシャカトリック慈善団体
ウクライナ国内ギリシャカトリック教会ザカルパッチャ州支部によって2016年に設立された、ウクライナ政府に認定された慈善団体。代表及び副代表はギリシャカトリックの現役神父であり、教区内の他の神父と連携を取り、高齢者や生活困難者の支援を行っている。主な活動内容は食料、衣服、医療品等の無償提供。支援対象者は国籍や宗派に関係なく、ウクライナ国内の戦争被害者、生活困難者、高齢者及び児童。
⚫︎テラ・ルネッサンスの支援に関わって変化したこと
(冨嶋)テラ・ルネッサンスで働き始めてから、生活の中で何が変わりましたか?
(アドリエン)戦争が始まって以来、私の生活は多くの面で変わりました。全ての価値観が見直され、地上の財産は全く重要ではなく、平和に暮らすことこそが最も大切なことだと気づきました。テラ・ルネッサンスのスタッフとして働き始めてからは、与えられた仕事を誠実に、そして良心的に遂行することに全力を尽くしています。
⚫︎アドリエンの将来とは
(冨嶋)将来のために何をしていますか?
(アドリエンさん)残念ながら、ウクライナの状況はますます不安定で絶望的になっています。日常的な12〜16時間の停電、空襲警報、軍の検問所は、ここに残った人々の生活を非常に困難にしています。可能な人は避難しましたが、高齢者や病人は残っています。彼らの世話をしなければなりません。そのため、テラ・ルネサンスと聖パンテレイモン・カリタスは協力して、新しい支援者を探し、支援活動を継続するための新しい方法を模索しています。
(冨嶋)将来をどのように考えていますか?
(アドリエンさん)常に未来を前向きに見ようと努め、神の摂理を信じ、早期の平和を願っています。難しい一日の後には時折落ち込み、迷うこともありますが、その時にはいつも何かが起こり、新たな力と希望を与えてくれます。最大の励み(原動力)は、私たちが支援している人々の目に溢れる感謝と感動、ねぎらいの言葉です。これが、日々の戦いを諦めさせない力となっています。
【赤ちゃんを抱いているアドリエン】
ウクライナでの厳しい状況の中でも、人のために活動し続けるアドリエンのインタビューを読んで、いてもたってもいられない気持ちになりました。ウクライナから遠く離れて日本に住んでいる自分にできることは何があるのか、模索し続けると共に、微力ながら寄付をしてみたり、資源を大切にしたり、小さなことからやってみようと思います。
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テラ・ルネッサンスでは、7月1日から8月30日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。元子ども兵社会復帰支援と帰還支援活動などをはじめテラ・ルネッサンスが活動を継続していくために、この期間に【1800万円】のご寄付を必要としています。
ぜひ、よりよい「明日」へと近づく支援に、寄付という形で、皆さまにご協力いただけますと幸いです。
<夏季募金キャンペーンについて詳しくはこちらをご覧下さい>
https://www.terra-r.jp/kakibokin2024.html
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記事執筆/
ウクライナ事業フェロー
冨嶋ひより