生まれ育った村を、銃で襲う。
チャールズ君(16歳)の悲惨な体験
ウガンダ共和国グル県に住む、チャールズ君(仮名)は当時16歳。
隣村まで歩いて出かけたのが、悲劇の始まりでした。
“僕はお母さんの帰りが待ちきれず、隣村に迎えに行きました。
その途中で、銃を持った兵士たちに囲まれ、反政府軍の部隊に連れて行かれたんです。”
ウガンダでは、1980年代後半から内戦が勃発していました。「神の抵抗軍」という武装勢力は、10歳そこそこの子どもたちを誘拐して、暴力などによって洗脳。銃を手にとらせ、戦場へと送り出していたのです。
誘拐された数日後、チャールズ君は生まれ育った村に連れて行かれます。そして、村を襲撃する作戦に参加させられたのです。
大人の兵士たちは、チャールズ君を村まで連れてくると、彼のお母さんを前に命令しました。
「この女を殺せ!」そう言いながら、銃の先で彼女をこづきました。
“ 怖くて怖くて仕方がありませんでした。
もちろん、「そんなことできない」と言いました。
そうすると、今度は剣を持たされ、
「それなら、片腕を切り落とせ。そうしなければお前も、この女も殺す。」
と言われました。
僕はお母さんが大好きでした。
恐ろしくて手が震え、頭の中が真っ白になりました ”
とにかく、お母さんも僕も、命だけは助けてほしい…。チャールズ君は、手渡された剣を、お母さんの腕に何度もふりおろしました。