【TV】NHK BSP4『アフリカ縦横無尽 絶景と悲劇の大陸をゆく 第2集』をご覧いただいた皆さまへ
テレビ番組、NHK BSP4『アフリカ縦横無尽 絶景と悲劇の大陸をゆく 第2集』をご覧いただき、テラ・ルネッサンスの活動にご関心をお寄せくださり、誠にありがとうございました。ナイル川の源流のひとつでもあるビクトリア湖。そのビクトリア湖を有するウガンダ共和国は、自然豊かな美しい国です。しかし、1980年代後半から20年以上続いた内戦により、多くの人々が命を落とし、また心や体に傷を抱えながら、懸命に生きています。
番組内容のとおり、私たちは2005年より、ウガンダ北部グル市において「元子ども兵社会復帰支援事業」を実施しています。これまで、200名以上の元子ども兵の社会復帰に取り組んできました。
番組内容のとおり、私たちは2005年より、ウガンダ北部グル市において「元子ども兵社会復帰支援事業」を実施しています。これまで、200名以上の元子ども兵の社会復帰に取り組んできました。
私たちの活動について、テレビでは伝えきれなかった内容をより詳しくお伝えしたいと思います。
■ はじめに
アフリカの東部に位置するウガンダでは、1980年代後半から内戦が始まり、反政府組織「神の抵抗軍(LRA:Lord’s Resistance Army)」と政府軍が20年以上にわたって戦闘を繰り広げました。内戦中には、「神の抵抗軍」によって3万人以上もの子どもたちが誘拐され、男の子であれば戦闘の最前線に駆り出されたり、また女の子であれば兵士と強制結婚をさせられたりなど、その多くが壮絶な経験をしてきました。
2006年8月に「神の抵抗軍」とウガンダ政府の間で停戦合意が結ばれましたが、最終的な和平合意には至っておらず、2024年現在でも「神の抵抗軍」は隣国のコンゴ民主共和国東部や中央アフリカ共和国で活動を続けています。
自ら逃げたり、政府軍に保護されるなどしてウガンダに帰還することができても、多くの元子ども兵が精神的・肉体的なトラウマを抱え、社会復帰が困難な状況に置かれています。中には10年、15年もの間「神の抵抗軍」に拘束されてきた者もおり、このような状況で帰還した元子ども兵たちは、身体的、精神的に大きな傷を抱え、自主努力では基本的な衣(医)食住を満たすことすら難しいのです。
また、戦うことしか教えられてこなかった元子ども兵たちは、読み書き・計算など、基本的な教育を受けられていません。職業技術も無いため、仕事に就くこともできず、経済的に大きな困難を抱えています。地元の村々での襲撃にも加担させられてきた元子ども兵たちは、帰還後、地域住民から加害者とみなされ憎しみの対象になることもあります。
中には、帰還後に路上生活をすることになったり、酒におぼれたり、再び武装勢力へと戻ってしまったりする元子ども兵もいるのです。よく言われることですが、「被害者であり、そして加害者でもある」という言葉に、元子ども兵が社会復帰することの難しさが詰まっているでしょう。
■ テラ・ルネッサンスの取り組み
テラ・ルネッサンスが行う元子ども兵社会復帰支援プロジェクトでは、「3年間で元子ども兵が社会復帰するために、必要な能力を身につけ経済的に自立すると共に、地域住民との関係を改善しながらコミュニティで安心して暮らせるようになる」という目標を掲げています。
プロジェクトでは、洋裁、手工芸、服飾デザイン、木工大工の4つの職業訓練科目と基礎教育(識字、算数、英語)やビジネス講習、基本的な健康管理のクラスを開講しています。また、トラウマを抱えた元子ども兵も多いため、カウンセリングや平和教育の授業を通した心理社会支援活動も行っています。
訓練中の彼ら・彼女らとその家族を支えるため、毎月の食費と医療費をクーポンで配布もしています。クーポン券は受益者各自の近くの食料品店、地域の診療所でのみ使えるよう当会と契約しており、そこで治療できない病気や怪我は総合病院や専門の機関で診療できるよう調整しています。また、家庭の状況に応じて、子どもの学費や家賃などの支援も行い、受益者が訓練に集中できるよう本人とその家族の生活を支援しています。
【洋裁の職業訓練の様子】
■ ウガンダ事務所長 オテマ・ジミー
番組に出演したオテマ・ジミーは、テラ・ルネッサンスのウガンダ事務所長です。彼は2006年からテラ・ルネッサンスのウガンダ事務所でスタッフとして働いています。
彼自身、紛争の被害者でもあります。
出身地の小学校は、武装勢力の襲撃を受けて閉鎖。教育を受けるため北部のグル市内へ移動しました。弟や妹の面倒を見ながら平日は市内で教育を受け、週末は、片道18km離れた村に歩いて帰り、帰りは自炊するための炭を担いで帰るという生活を続け約10年。市内で高校を卒業して、服飾デザインの技術を身につけ、洋裁店で働きはじめ、食費や教育など、家族を支えるようになりました。
その後、2006年からテラ・ルネッサンスで元子ども兵に服飾デザインを教え始め、その真面目で向上心のある性格から、現場の運営を徐々に任され、2011年から現地代表として日々スタッフを取りまとめ、現場事業の運営・管理を行っています。
出身地の小学校は、武装勢力の襲撃を受けて閉鎖。教育を受けるため北部のグル市内へ移動しました。弟や妹の面倒を見ながら平日は市内で教育を受け、週末は、片道18km離れた村に歩いて帰り、帰りは自炊するための炭を担いで帰るという生活を続け約10年。市内で高校を卒業して、服飾デザインの技術を身につけ、洋裁店で働きはじめ、食費や教育など、家族を支えるようになりました。
その後、2006年からテラ・ルネッサンスで元子ども兵に服飾デザインを教え始め、その真面目で向上心のある性格から、現場の運営を徐々に任され、2011年から現地代表として日々スタッフを取りまとめ、現場事業の運営・管理を行っています。
【洋裁の職業訓練の卒業生にミシンを手渡す様子(写真左がオテマ・ジミー)】
ジミーは、2022年から約1年間、大学院への進学のため来日し、テラ・ルネッサンスの佐賀事務所で働いていました。
【東明館高校で授業を行うジミーの様子】
■ すべての生命が安心して生活できる社会の実現へ
テラ・ルネッサンスは「すべての生命が安心して生活できる社会の実現(=世界平和)」を目指して、アフリカ、アジア、ヨーロッパなど9カ国・地域で、紛争、災害、貧困で苦しむ人々の支援をしています。
これまで、255,000人以上の人々へ支援を届けてきました。
なかでも、ウガンダではこんな変化が起きています。
■ 私たちの活動を、寄付という方法で応援してください
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
これからもアフリカをはじめ、アジアやウクライナなどで紛争の影響により困難な状況にある人々に寄り添いながら、必要な支援を届けてまいります。この機会に、寄付という方法で私たちの活動を応援いただけますと幸いです。
ご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
■ ご寄付は「寄付金控除」の対象です
テラ・ルネッサンスは、2014年に京都府より認定を受けた認定NPO法人です。ご寄付は、寄付金控除など税制上の優遇措置の対象となり、所得税・住民税など約40%の税額控除を受けることができます。
■ 遺贈(寄付)をお考えの方へ
近年増加している『遺贈』を通じたご支援についてご相談を承っています。ご関心のある方は、以下のフォームからお問い合わせください。この際、「NHK(テレビ)を見て」とご記入をお願いいたします。遺贈のご相談をはじめ、ご支援をご検討いただくための資料をお送りさせていただきます。
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