イスラエル・パレスチナにおける武力行為に対するテラ・ルネッサンスからの声明
10月7日イスラエルとパレスチナ・ガザ地区において始まった、ガザ地区を実効支配する組織(ハマス)とイスラエル国防軍の衝突・交戦は激化の一途をたどっています。報道によると、10月22日時点においてガザ地区およびヨルダン川西岸地区でこれまでに少なくとも4,741人(内子ども:1,756人、女性:967人)が死亡し、イスラエル側でも少なくとも1,405人の死亡が確認され、双方の死者はすでに6,000人を超る事態となっています。注1
こうした状況のなか、日本のNGOによって外務省への要請文が発出されました。テラ・ルネッサンスもこの要請文に賛同しています。
日本のNGOによる外務省への要請文は以下をご参照ください。
https://www.ngo-jvc.net/activity/advocacy/20231011_gazastatement.html
テラ・ルネッサンスは、イスラエルとハマスの双方が、国際人道法・国際人権法を含む、適用されるすべての法的義務を厳格に遵守することを求めます。
10月7日、ハマスがガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾を発射したことをきっかけに、イスラエルとのロケット弾や空爆の応酬が続き、多くの民間人が犠牲となっています。ハマスは210人の人質をとり、イスラエルはガザ地区への食料、燃料、水の供給を停止する中、17日にはガザ地区の病院が空爆されるなど、双方による国際人道法に違反する行為が続けられています。
テラ・ルネッサンスや日本を含む世界のNGO・市民社会が締結を求め、2014年に発効した武器貿易条約(ATT)は、ライフル銃や戦車、戦闘機などの通常兵器が集団殺害、人道に対する犯罪、1949年のジュネーブ諸条約に対する重大な違反などに使用されるであろうことを知っている場合には、締約国がその通常兵器を移転することを禁止しています。また、ATTは締約国に対して、国際人道法および国際人権法の重大な違反の実行や助長のために使用されるリスクについて、通常兵器輸出の前にリスク評価を行い、リスクが著しい場合にはその輸出を許可しないことを義務づけています。
このような条約の存在にも関わらず、現在イスラエルやハマスが使用する武器の多くは国外からもたらされています。ATTに批准していないものの署名を済ませたアメリカは既にイスラエルに対して追加の軍事支援を決定し、ATT加盟国のイギリスもイスラエルへの武器移転の継続を言明するとともに全面的な軍事支援についても表明しています。また、同じくATT加盟国のドイツもイスラエルに対する軍事支援を約束しました。一方、ハマスにも第三国による武器供与の可能性が指摘されています。
現時点で入手可能な情報に基づけば、イスラエル・ハマス双方について、入手した通常兵器を1949年のジュネーブ諸条約に対する重大な違反行為の実行のために使用するであろうことや、入手した通常兵器を国際人道法の重大な違反行為の実行や助長のために使用するリスクが著しいことが考えられます。テラ・ルネッサンスは、イスラエル・ハマス双方に対する通常兵器の国際移転を即時に停止することを求めます。また、これ以上民間人が犠牲にならないようにするためにも、双方による暴力行為を助長させるような行動や武力行使自体の即時停止と、対話による外交努力を通じた平和的解決を強く求めます。
(注1) Israel-Gaza war in maps and charts: Live Tracker, AL JAZEERA, 2023-10-9(2023-10-22更新), ALJAZEERA,
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