武器貿易条約(ATT)発効1周年を前に~締約国は、国内法整備や武器輸出入に関する報告書の公開を~
報道関係者各位
2014年12月24日に武器貿易条約(Arms Trade Treaty: ATT)が発効してから、来週で1周年を迎えます。その後、今年の8月にはATT第1回締約国会議が開催され、12月7日には国連総会本会議でATTに関する決議が採択されました。そして、ATT発効から1年以内に、各締約国はATTの実施に関連する自国の法整備について記載した報告書を提出することになっています。
しかし、現在のところ、この報告書に具体的に何を記載するのかを明確にした共通のテンプレートは存在しません。今年8月の第1回締約国会議では、この報告書のテンプレート案が作成されましたが、記入項目が極端に少なく、法整備の実態がつかみにくい様式でした。また、締約国が自国の報告書を一般公開するかどうか選択できる様式になっていました。結局、締約国会議では、この文書に「留意する」ことが合意され、第2回締約国会議に向けて検討が加えられることになりました。
記載内容が薄いテンプレートが合意されなかったのは良い点ではありますが、各締約国は、共通のテンプレートがない状況で、来週に報告書を提出することになります。
さらに、締約国が2016年5月までに提出することになっている、自国の武器輸出入情報に関する報告書のテンプレート案についても、8月の締約国会議で検討されましたが、このテンプレートは、一部の通常兵器の輸出入については記載しなくてもよく、締約国が自国の報告書を一般公開するかどうか選択できる様式になっていました。加えて、ATTでは、商業上機微あるいは国家安全保障に関わる武器輸出入情報は報告書に記載しなくてもよいことになっていますが、8月の締約国会議のテンプレート案は、報告書から除外した情報の有無について、明らかにするかどうか各締約国が選択できる様式になっていました。
テラ・ルネッサンスは、2003年より、実効性あるATTの締結を求めて、「コントロール・アームズ」キャンペーンの一員として活動してきました。ATTの実施を通じて、締約国の法整備の状況や、締約国がどの国にどの武器を輸出したのかについて詳細に明らかにならない限りは、ATTの実施状況をモニタリングすることや、ATTの義務に反する輸出をした国を特定することすら難しくなります。
ウガンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、そして、カンボジアなどで、武器による暴力の被害を受けた人びととともに歩んできた団体として、テラ・ルネッサンスは、全ての締約国による報告書の公開と、報告書テンプレートの改善を求めます。
◆「コントロール・アームズ」キャンペーンとは◆
2003年に設立された「コントロール・アームズ」は、世界各国のNGOや個人から成る国際的なキャンペーンです。日本のキャンペーンの運営については、以下リンクをご覧ください。
http://controlarms.jp/campaign/oxfam.php
◆お問い合わせ先◆
以下アドレスまで、メールにてご連絡ください。
認定NPO法人テラ・ルネッサンス(担当:榎本)
enomoto@@terra-r.jp (@を1つにして送信ください)
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