【カンボジア】あの事業、最近どう?村落開発支援のモデルファーム
【カンボジア】あの事業、最近どう?村落開発支援のモデルファーム
期間限定で、事業をピックアップした特集記事を連載します!近年の活動を取り上げ、その背景や変遷を辿ります。今回は、カンボジアの地雷埋設地域村落開発支援プロジェクトの「モデル・ファーム」をご紹介いたします。
カンボジアは1960年代後半にベトナム戦争に巻き込まれて以降、30年以上にわたって戦闘状態が続きました。地雷が推定400万〜600万個使用され、その埋設密度は世界一と言われています。
地雷埋設地域の農村部に住む人々の多くは、主に換金作物栽培や農作業の日雇い労働に収入を頼っていますが、十分な収入は得られていません。出稼ぎに行く人も多数おり、子どもが学校に通えず次世代の貧困につながるという、負の連鎖も起きています。
そこで、ロカブッス村の開発支援の一環として「モデル・ファーム」を運営しています。村の人々が実践しながら野菜栽培や家畜飼育の技術を学び、販売もすることで生計を向上させる取り組みです。同時に、この共同農場を見本に、学びを得た人々が自宅でも野菜や家畜を育てられることを目指しています。
運営を始めてから4年半経ちますが、最近はアグロエコロジーの考え方を取り入れています。その考え方の範囲は広く、環境や経済、社会、文化などに加え、生産者やコミュニティなども含みます。
カンボジアでは単一の換金作物や家畜への依存から収入が激減するケースがよく見られるため、アグロエコロジーに注目しました。自然と共生する伝統的なライフスタイルや農法を尊重しながら、経済的にも生計を維持、向上させることを意識しています。
訓練では農業専門家が現地の伝統的な薬草を活用した知識や技術を伝えたり、モデル・ファームで複数の栽培方法を試したりしています。また、今後の発展を見据えてSNSなどを活用した宣伝、販売のスキルの訓練も行っています。