【ラオス】あの事業、最近どう?・不発弾回避教育
【あの事業、最近どう?/ラオス】
期間限定で、事業をピックアップした特集記事を連載します!近年の活動を取り上げ、その背景や変遷を辿ります。今回は、ラオスにおける不発弾回避教育をご紹介いたします。
ラオスは「世界で最も空爆された国」と言われています。1964年に始まったベトナム戦争により、9年間で200万トン以上の爆弾が落とされました。現在も、当時は爆発しなかった多くの不発弾が人々の生活エリアに残っており、誤って触れて爆発してしまう事故が後を絶ちません。
ラオス事業では以前から、不発弾被害者の収入向上支援や撤去活動の支援等を行っています。2021年からはこれに加え、3〜7歳の子どもたち向けの「不発弾回避教育」を始めました。
当会では、他団体では前例のない幼児も対象としています。遊び盛りの小さな子どもたちに難しい話を理解してもらうのは容易ではありませんが、爆発事故の被害者の約半数は幼い子どもたちなのです。
そこで、スタッフ総出で独自のレッスンを開発しました。分かりやすくし、かつ興味を持ってもらうために歌や紙芝居、ポスターを用意したり、遊びながら対象物をよく観察してもらうために、ジグソーパズルやステッカー、塗り絵などを作成しました。
子どもたちはだんだん不発弾を見分け、「怪しいものは触らない」というメッセージを守れるようになりました。嬉しいことに、子どもが不発弾を見つけたと先生に伝え、事故を未然に防ぐことができた事例があります。
日本の避難訓練のように、回避教育は何世代にもわたってほぼ永久的に続ける必要があります。不発弾はあまりに多く、除去するには数百年かかると言われているためです。さらに、不発弾の数を明確に示すことはできず、完全になくなったことを保証することもできません。
ラオス事業マネージャーの飯村はこう話します。
「今後1000年、2000年不発弾があっても、子どもたちはこの地で生きていきます。のびのびと遊べていたはずの時間を回避教育に充てなければいけない現状や、不発弾撤去にかかる途方もない時間に、もどかしさを感じることも多々あります。しかし、それでも諦めずに活動を続ければ、何かが変わると私たちは信じています。」
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